お客様の声(果樹農家 阿部利春様の声)
購入製品:『KNC-100B、PTO-1500H』
(左)果樹農家 阿部利春さん (右)株式会社カルイ 営業部 石山 基
果樹農家
阿部利春さん
昭和28年生まれ
900坪程度の畑で、キウイフルーツとブルーベリーやリンゴをほぼ無農薬で育てています。「不揃いですが、美味しいですよ。」と阿部さん。もともと勤め人でご両親がされていた農家を、土日だけ手伝っていました。退職後は、両親に代わり農家を継いで、現在はブルーベリー等の果樹に力を入れています。
導入の経緯
今から10年くらい前、廃棄物処理法という法律で剪定枝の焼却が禁止され、野焼きができなくなりました。
私も果樹畑の剪定枝は、昔は焼いていましたが、使い道があるのにもったいないという思いがありました。ブルーベリーを植えて今後増やしていきたかったので、剪定枝を粉砕してブルーベリーの根元に蒔くためにも、粉砕機を買おうと考えていたのです。
ブルーベリーは、保水性と水はけの相反するような土地が良いのですが、水を切らすと、すぐだめになってしまいます。根の上に大量の木屑を撒いて、水を切らさないようにしています。根から15センチ以上の厚さで木屑がないと根っこは伸びないと言われています。
例えば、ニュージーランド等、場所によっては50センチくらい木屑を圧縮して苗床を作って、そこに植えている所もあります。50センチ底の木屑って言ったらすごいですよ。ブルドーザーでならし固めてから植えるという、もう土の代わりですね。
普通の土壌は、酸性化していてもペーハー(PH)5~6くらいですが、ブルーベリーは強酸性が好きなので、4くらいでないと育ちません。ピートモスという園芸資材がありますが、要するにミズゴケの腐れたものでペーハーは3.8くらい。それを使うと一番育ちます。
木屑は保水性があり、腐敗すると土のようにぼろぼろになりますが、酸性なのでピートモスの代わりに使用できます。スギの樹皮を破砕したものが一番いいと言われています。なぜいいかというと、腐れにくいからです。広葉樹よりも針葉樹のほうが「持ち」がいいです。木屑は上にどんどん重ねていっても時間が経つと潰れますから、大量の木屑が必要になってきます。
ブルーベリーをもっと増やそうとかと思ったときに、いろいろ勉強して木屑が必要であることが解り、さてどうやって木屑を調達するかと考えました。果樹畑なので木はたくさんあり、粉砕する機械を買ってもいいと思いました。
2007年、粉砕機を見たくて中山町の農機具まつりに参加してきました。カルイのコーナーがあり、粉砕機の実演をするということだったので見に行ったのです。ラ・フランスの枝を粉砕するのを見て、「おおーっ、結構能力あるんだな」と思いました。
「畑にバーッと撒きながら、移動できる自走式はいいな」とか、「剪定枝を集めなくても畑の中を回って」などあれこれ考え、他社のも見ました。
お世話になっている農機具店の方に、そのことを話して相談しました。
ブルーベリー農家さんの木屑活用方法をインターネットで調べたり、カルイを訪問したりして、再度試運転を見ました。
カルイさんを選んだ理由
1. ラ・フランス枝粉砕の第一印象
「意外と細かくなるな」ということと「音が大きいな」というその2つですね。太さ10センチくらいのものを粉砕していたので、正直こんなに太いのも大丈夫なのかと思いました。「ナイフ式の粉砕機で、こんなに細かく出てくるのか、いいな」、「これなら、剪定枝全部処理できるな」と思いました。
2. 粉砕後の大きさ
木の根元にかけるので空隙(くうげき)がないとだめですから、あまり細か過ぎず丁度よい大きさの木屑が必要です。おが粉みたいに細かいと根が窒息してしまいます。当時1台目の機械を考えていた時は、ナイフ式の粉砕機しかありませんでしたが、現在はもっと粗めに粉砕できるハンマー式を使用しています。
ナイフ式の粉砕機は、基本細かく粉砕される機種となります。阿部様は粗い粉砕を希望されていたので、大きめのチップができるハンマー式をお使いいただいております
3.太い枝、木も処理できる
自走式で一番大きいのを、と思っていましたが、一番大きい粉砕機でなくても10馬力で直径12センチまでの太さのものが処理できると知って、十分だと思いました。直径12センチと言えば結構太いですよ。2台目はコンパクトだが、更に太い枝を処理できるトラクターPTO式にしました。
4.すぐ対応してくれる近くのメーカー
お世話になっている方からのアドバイスで、メーカーが近くにあるのは利点だとのことでした。なにかあった時、壊れた時、送らなきゃいけないので。カルイさんは粉砕機を専門に作っているよと聞いて、カルイさんの商品にしようかなと思ったのがきっかけです。
カルイ粉砕機の活用方法といいところ
実は、2台買い換えています。普通の剪定枝の粉砕であれば問題ないのでしょうけれど、何しろ木屑を作るための機械として活用しているので、使い方が激しいのだと思います。
広い果樹畑を伐採する時は、粉砕機を持って行ってそこで処理します。1町歩のリンゴ・ラフランス畑を処理した時は、軽トラックに2、30台ありましたので本当に大量です。
このような使い方なので、機械が壊れない工夫も必要です。
太い枝木の場合はまき割り機で細かく割って、細くしたのを粉砕機に入れます。処理能力最大径の15センチという場合でも、15センチのまま機械に入れると、磨耗や破損が早くなるのかなと思い、7、8センチくらいにして入れるようにしています。今までやってきて学んだ粉砕機を長持ちさせるためのコツです。
一方剪定枝は、細いため粉砕した時の音が殆ど無く、いくら枝を投入してもスピーディーに処理が進みます。だから農家の人が剪定枝だけ処理するのでしたら、長く使ってもおそらく機械は壊れないと思います。
粉砕機は高速回転でナイフやハンマーを木に当てるので、その時の衝撃や負荷が大きくそれが故障の大きな原因です。2台目をハンマー式にしたのは、堅い木を多く粉砕するためハンマーがくるくる回り衝撃を回避できるハンマー式の方が有利だろうと考えたためです。
剪定枝のような柔らかく「しなしな」した枝や、細い枝は切れ味のいいナイフ式で、堅い木やまきを粉砕するのだったら、フリーハンマー式の方がいいと思います。
2台目の粉砕機は投入口の改良により、どんな木でもスルスルと中に入っていくことと、スクリーンの設置により粒度が一定となりました。「メーカーとしてよく研究してるな」と思います。
メーカーの壊れたときの対応は、私は満足しています。配慮していただいたのはありがたいです。
地元のメーカーで、畑の近くに工場や営業所があるので、本当に頻繁に足を運んでもらえます。助かっています。
カルイへの今後の期待とメッセージ
粉砕時の衝撃を考えて、本体の耐久性をアップした製品づくりを期待します。
粉砕機の耐久性については、実験を繰り返すしかありません。メーカーだけでは実験は難しいと思うので、できれば私みたい多量に使う人に検証してもらったり、「ここに工夫が欲しい」とか「ここももうちょっと補強した方がいい」とかユーザーから声をさらに吸い上げていただければと思います。本当に負荷がかかる所は粉砕機本体の数ヶ所だと思います。そういうことが改善されるとうれしいですね。
これからも製品の改善をよろしくお願いいたします。
阿部様、お忙しい中取材に対応してくださいまして
ありがとうございました。